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2006年10月31日

演出とウソとメインテーマ。

 このブログには、ある一定のウソが含まれています。まるっきりの虚構や、文章の都合で事実を編集したもの、判りやすくするために省いた事実などなど。書いてある事が全て真実ではなく、事実を全て書いている訳ではありません。

 それはこのブログに限らず全ての表現(ノンフィクションのTV、映画、本、新聞など)に当てはまります。情報は必ず人を通るときに変質します。元の形のままでは伝わりません。

 ドキュメンタリーと銘打たれたものだって演出と編集で出来上がっています。そこには必ず制作者の意志が入ります。でなければ意味がないからです。50時間の素材テープを垂れ流されても意味がないのです。

 例えば動物のドキュメンタリー。可愛いヒナが生まれた鳥の巣に迫る1匹の大蛇。威嚇する親鳥、迫る大蛇。大蛇は親の剣幕に負けて退散、巣には平穏が訪れた。全部編集です。ヒナ、親鳥、蛇をそれぞれ別にとって繋げてソレっぽいナレーションを加えればそういうストーリーが作れるのです。

 ニュースにだって意志が入ります。どのニュースをどのような文章で、どのような読み方で伝えるか。なにを伝え何を省くか。ニュースという形になった時点で、真実との乖離が始まります。

 仮にビデオカメラで撮ったソースを見たとしても、そこにはその映像を選んだカメラマンの意志が入ります。自分がその場にいない限り、生の情報、無加工の情報に触れる事は出来ません(その場にいても、それが作られた場かもしれないが)。

そんな事は分かり切った事ですけども。

 さて。ではこのブログのどこがウソでどこが演出なのか。いや、むしろ、僕がこれまで書いてきたものの何がウソなのか?

それは、僕には決められません。

 どこを信じるかは自分で決める事なのです。例えば僕がここで「すべてウソです、写真撮ったら全部捨てて普通の食事をしてました」って書いて、それを信じたとしたらそれがあなたの真実です。

僕は大嘘つきという事になります。

 僕はもちろんこう言います。「文章は実際におこなった事実に基づき書いています。マック以外のものは食べていないし食べ残しもしていません」と(※)。ただ、それを信じるか信じないかは僕には決められないのです。
(※誤解の無い様に書きますが、企画を完遂した事実は本当です。<ただ、信じるかどうかは別問題)。

 僕は真実をまったく証明出来ません。食べ始めと食べ終わった写真を撮って文章を書いて載せてるだけです。なにも証明出来ません。仮にビデオに撮っても、撮った後吐けばいいんですからそれでも証明出来ません。

 僕はこれまで、スーパーサイズ・ミーを見たからって「こわい!もうマクドナルドには行かない!!」っていう短絡思考はどうかと思うよ?って事を延々書いてきました。が、逆に僕のマック生活を読んで「なんだ、スパーロックは食べ過ぎなんだ、1ヶ月食べ続けても平気なんじゃん。さてマックに行くか」っていうのも短絡思考です。

僕が書いた事を鵜呑みにするのと、スーパーサイズ・ミーを鵜呑みにするのは同じ事です。

 このブログには一定のウソが含まれています。僕はどこがウソなのか書きません。全ての情報には一定のウソ(演出とも言う)が含まれているのです。何を信じるかは、あなた次第。

 そしてこういう事を書くと、今まで僕がしてきた事や書いてきた事が急に嘘くさく感じてしまうかもしれません。「なんだ、お前も演出してたのか、嘘書いてたのか」と。僕はここで信用を失ってしまうかもしれない。

でも、思うんです。この程度の事を書いて失う信用は、

最初から存在しなくても良い程度の信用だと。

 これを読んでも僕が書いたものを信用する人もいるでしょう。有り難い事です。僕が書いた事を真実として受け入れてくれる。信じてくれる。例え本当は嘘で「あはは、信じてやがる」って笑われたとしても信じる。その覚悟が本当の信用だと思います。

本来、信用というのはリスクを伴うのです。

 その覚悟を自覚し、なにが真実かを考えて判断して初めて生まれるのが信用です。なにも考えずに盲信するのは信用ではなく信仰です。僕は信仰はいりません。

 全てを信じるのもいいでしょう。一部は信じ、一部は嘘だと認識するのもいいでしょう。なにが正しくて何が間違っているか、何が嘘で何が本当か。それは僕には決められません。自分で決める事です。

 このブログには、ある一定のウソが含まれています。それはウソ、演出、編集など色々な形を取っています。なにを信じるかは、あなた次第です。

そして、

この文章そのものが本当かどうか、それ自体も罠かもしれないのです。

こういう面倒くさい事がこのブログの本当のテーマです。
posted by マツモトケイジ at 12:28| Comment(7) | コラム。
この記事へのコメント
いろんな意味で大変お疲れ様でした。
今回の企画では今日のようなテーマや本質についての
ところばかり読み、食事の内容感想・グラフなどは
流し読みでした(こめんなさいね)。
注目しやすい題材を使って、実際は人間の思考に関する
深いところをえぐってくるものでしたね。
オレンジレンジを利用したアクセス解析を思い出しました。

過信はいけないと知りつつ、人は「信じたい」もの。
ちょっと寂しさを感じたこともお伝えしておきますね。
考える機会を与えてくださったことには、とても感謝しています。

そうそうこれを読んで「放送禁止」シリ−ズを思い出しました。
ご存知かしら。
Posted by ラディ at 2006年10月31日 16:22
書くと長くなりますが、何だか賛否両論だったのでしょうか。読み手と書き手の間で、しばしば誤解は生まれますが、お互いの真理を読み取れないのか利用しているのかは別として、私もケイジさんの文章とか考え方とかとても面白いなあと、いつも思って楽しませていただきました。ありがとうございました。と、またここでずれた意見だと申し訳ないと思いつつ、残しておきます。30日間、ご苦労様でした!!
Posted by kishimoto at 2006年10月31日 20:22
・・・ま〜いろいろとめんどくさいですねー。
自分のモノサシで「適度に差し引いて読む」ってことが
できない人が増えてきた気がします。
2chなんか見てると顕著ですね。
みんな白か黒か、どっちかに決めときたいんでしょう。

兎に角、おつかれさまでした。
Posted by えす at 2006年10月31日 23:42
快便じゃなかったんだ!?
Posted by ああい at 2006年11月01日 01:29
GJ 今度は、Youtubeに上げて、世界デビュー!
                 ,r=''""゙゙゙li,
      _,、r=====、、,,_ ,r!'   ...::;il!
     ,r!'゙゙´       `'ヾ;、, ..::::;r!'゙
    ,i{゙‐'_,,_         :l}..::;r!゙
.  ,r!'゙´ ´-ー‐‐==、;;;:....   :;l!:;r゙
 ,rジ          `~''=;;:;il!::'li
. ill゙  ....         .:;ll:::: ゙li
..il'   ' ' '‐‐===、;;;;;;;:.... .;;il!::  ,il!∧∧∧∧
..ll          `"゙''l{::: ,,;r'゙ <            
..'l!       . . . . . . ::l}::;rll(,   <  グッジョブ !!
 'i,  ' ' -=====‐ー《:::il::゙ヾ;、  ∨∨∨∨.| ./
  ゙i、            ::li:il::  ゙'\.       |/
  ゙li、      ..........,,ノ;i!:....    `' 、  ∧_∧
   `'=、:::::;;、:、===''ジ゙'==-、、,,,__ ` '(´・ω・`)
     `~''''===''"゙´        ~`''ー(    )
Posted by at 2006年11月01日 10:01
ケイジさん、30日間お疲れ様でした。
いつもながら「リテラシー」について熱弁されていますね。
最近は子供の教育素材のCMでも「リテラシーを育てる」なんて言っていますが、与えられて教材でリテラシーを学ぶと言うのも本末転倒のような気がします。
ケイジさんのおっしゃる通り、自分も含め人は自分の信じたいものしか信じないということは間違いないと思いますが、そこの「自身への疑い」と「公平性」を少しでも意識する事が重要ではないかと考えています。
本当に30日企画お疲れ様でした。
ではでは
Posted by benoit at 2006年11月01日 11:05
信じてます。

大丈夫、盲信じゃないと思います。多分。
ウソとか演出とか書かれるとどきっとしますけど、多少の作為があって当然だと、平均的な読者(私もそうありたい)はちゃんと分かっていますよ。
だって、言いたいことがあって始めた企画だって何度も何度もおっしゃっておられましたし。

ただ、スパーロック監督でもケイジさんでも、信じたい人はどこからどこまでも信じちゃうでしょうね。なんと言っても止められないでしょうね。
「ダヴィンチ・コード」みたいに。

30日間(実際は10日過ぎごろからの愛読者ですが)本当に楽しかった。
毎日、何度もクリックしました。
どうもありがとうございました。
そしてたいへんご苦労様でした。
Posted by sunny at 2006年11月01日 20:10